胃がんステージⅣと光免疫療法の可能性について
日本人に多い胃がんとは
胃がんは、胃の内壁(粘膜)から発生する悪性腫瘍で、日本では罹患率・死亡率ともに高いがんの一つです。
胃がんの発症は、50歳を過ぎると徐々に増加し始め、80歳代で罹患率が最も高くなります。
胃がんのリスク要因としては、ヘリコバクター・ピロリ菌の感染や喫煙、多量の塩分摂取、過度な飲酒、遺伝などが挙げられます。
そして、胃がんには特有の初期症状が無いため、早期発見をするために定期的な検診の受診が重要となります。
この記事では、胃がんのステージⅣに関する詳細な情報と胃がん治療における光免疫療法の可能性について解説します。
胃がんステージⅣとは
胃がんステージⅣとは、がんが遠隔転移または隣接臓器に高度に浸潤した末期状態のことを指します。
進行度は、TNM分類というシステムを用いて評価されます。
Tは腫瘍の大きさと侵入の深さ、Nはリンパ節への広がり、Mは遠隔転移の有無を示します。
胃がんは、初診時に約10~20%がステージⅣだといわれており、ステージⅣになると進行速度は中程度~速いことが多いです。
しかし、若年女性に多い組織型であるスキルス胃がんの場合、数ヶ月で急速に悪化します。
遠隔転移しやすい部位としては、腹膜が最も多く、肝臓、肺、骨などが一般的です。
そして、胃がんステージⅣにおける5年生存率は、約5~10%と厳しい状況になります。
胃がんステージⅣの症状
ステージⅣ期まで進行すると、初期の胃がんとは異なり、症状が顕著に現れてきます。
強い胃痛や嘔吐、持続的な不快感、急激な体重減少、倦怠感などが代表的な症状です。
また、転移症状として、腹膜播種による腹部膨満感(腹水)、肝転移による黄疸、肺転移による呼吸困難や咳、骨転移による骨痛や病的骨折などが現れます。
転移症状は全身衰弱(悪液質)と重なるため、生活の質(QOL)が大きく損なわれます。
胃がんステージⅣの治療方法
胃がんステージⅣの治療は、患者さんの全身状態、転移部位、組織型に基づいて様々な治療の組み合わせが計画されます。
根治が困難となるため、生存期間の延長と症状緩和が主な目的となり、化学療法、免疫療法、分子標的薬、支持療法、緩和ケアなどを組み合わせます。
化学療法(抗がん剤)、免疫療法、分子標的薬によって延命を図り、支持療法や緩和ケアによって症状を管理します。
また、限定的ではありますが、症状緩和を目的として、手術や放射線療法が行われることもあります。
胃がんステージⅣの治療における課題と限界
胃がんステージⅣにおける治療は、様々な標準治療を組み合わせても治療効果には限界があり、以下のような課題も存在します。
1.根治が困難
ステージⅣでは、化学療法(TS-1+シスプラチン)などによって腫瘍を縮小させ、生存期間を延ばすことはできますが、完全寛解は非常に稀です。
腹膜播種や多発転移では、再発率が80%以上であり、全身疾患の制御が極めて難しいのが現状となります。
2.体力低下による耐性の限界
ステージⅣまで進行すると、患者様の全身状態が急速に悪化していきます。
そのため、化学療法の副作用や免疫療法、分子標的薬は、体力が低下した状態では耐えられず、治療の中断や投与量の減量をする必要があります。
これにより、治療効果が限られてしまうため、早期に緩和ケアへの移行となります。
3.転移の速さ
ステージⅣでは、腹膜播種や肝転移(20~30%)が同時進行し、スキルス胃がんでは数ヶ月で急速に悪化します。
化学療法や免疫療法を行っても、多発転移の制御が追い付かず、転移症状が急激に悪化してしまうことがあります。
4.治療の選択肢の不足
化学療法では耐性獲得後の効果が低くなり、免疫療法は全員に効果的な治療ではありません。
分子標的薬についても、特定の胃がんに対して効果的であるため、進行期では治療の選択肢が限られています。
光免疫療法と胃がんステージⅣ
光免疫療法は、胃がんステージⅣの治療において、有効な治療法の一つとなる可能性があります。
この治療法は、特定の薬剤と特定の波長の光を組み合わせてがん細胞を攻撃するものです。
また、がんの種類やステージに影響を受け難い、副作用が少ないといった特徴があります。
そのため、胃がんステージⅣにおいても、光免疫療法が適用可能な場合があります。
以下より当院の光免疫療法の詳細をご確認頂けます。
胃がんの各ステージについての詳細解説
胃がんは、その進行度に応じてステージⅠからステージⅣまでの4つのステージに大きく分類されます。
各ステージには特徴的な症状や治療方法があります。
以下に、各ステージの特徴と主な治療方法を詳しく説明します。
ステージ | 特徴 | 主な治療方法 |
---|---|---|
Ⅰ | がんが粘膜下層まで達してリンパ節転移なし、または少数のリンパ節転移あり。 | 手術(内視鏡治療)、光免疫療法 |
Ⅱ | がんが筋層まで達してリンパ節転移あり、または漿膜近くで転移が少ない。局所進行。 | 手術、化学療法、光免疫療法 |
Ⅲ | がんが漿膜を越えでリンパ節転移が多い、または隣接臓器に浸潤で転移あり。 | 手術、化学療法、光免疫療法 |
Ⅳ | 遠隔転移がある、または隣接臓器への浸潤+多数リンパ節転移あり。 | 化学療法、免疫療法、分子標的薬、光免疫療法 |
まとめ
胃がんステージⅣは、遠隔転移または隣接臓器に高度に浸潤した末期状態であり、治療による根治は難しいです。
化学療法や免疫療法、分子標的薬によって延命を図り、支持療法や緩和ケアによって症状を管理します。
しかし、それらの標準治療だけでは効果の限界や、いくつかの課題があるのも事実となります。
光免疫療法は、胃がんステージⅣに対しても、有効な治療法の一つとなる可能性があります。
この治療法は、標準治療と併用できるため、現在、胃がん治療を行っている患者様でも対応可能です。
標準治療以外の治療法も検討されている方は、一度当院までご相談ください。
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【当該記事監修者】院長 小林賢次
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