肺がんステージⅣの詳細と光免疫療法について
肺がんの概要
肺がんは、肺の気管支、肺胞、またはその周辺組織の細胞が異常に増殖することで発生する悪性腫瘍です。
主に非小細胞肺がん(約85%)と小細胞肺がん(約15%)に分類され、それぞれ進行速度や治療反応性が異なります。
早期発見と適切な治療が重要となりますが、初期段階では自覚症状に乏しく、進行した状態で診断されることが多いです。
日本では年間約12万人が肺がんと診断され、毎年7万人以上が亡くなっており、がん死亡原因の第1位です。
リスク因子としては、喫煙(受動喫煙含む)、大気汚染、アスベストやラドンへの曝露、遺伝的要因などが挙げられます。
肺がんステージⅣとは
肺がんステージⅣは、肺がんの進行度を示す最も進行したステージであり、TNM分類に基づき遠隔転移(M1)が確認された状態です。
具体的には、がんが肺を超えて他の臓器(脳、骨、肝臓、副腎など)や遠くのリンパ節に転移しているか、肺内に複数の病巣が広がっている(例: 両肺転移、胸水・心膜液中の腫瘍細胞)状態を指します。
このステージでは、根治が困難で全身的な治療が必要となり、予後は他のステージに比べて非常に厳しくなります。
ステージⅣの症状と診断
肺がんステージⅣの症状は、原発巣と転移部位によって異なります。
一般的な症状では、持続的な咳、喀血、息切れ、体重減少、倦怠感などが現れます。
そして、転移に伴う症状としては、骨転移による骨痛、脳転移による頭痛・めまい・神経障害、肝転移による黄疸・腹部膨満、副腎転移によるホルモン異常などが挙げられます。
診断には、CTスキャン、MRI、PETスキャンでがんの位置や転移を評価し、生検や胸水検査で組織型や遺伝子変異を確認します。
遺伝子変異の特定は、標的治療の適応を判断する上で重要となります。
治療方法
肺がんステージⅣでは、がんが肺を超えて他の臓器や遠くのリンパ節に転移しているため、根治が困難となります。
そのため、治療はがんの進行抑制、症状緩和、生存期間の延長、QOL(生活の質)維持を目指します。
主な治療方法として、化学療法、分子標的治療、免疫療法、放射線療法が用いられます。
支持療法と緩和ケアは、痛みや栄養の管理、呼吸困難緩和で重要な役割を果たし、手術は胸水管理など限定的な場合に適用されます。
治療は患者の組織型、遺伝子変異、全身状態に応じて慎重に選択されます。
光免疫療法について
光免疫療法は、特定の光感受性薬剤を投与し、がん細胞に集積させた後、近赤外線などの特定波長の光を照射してがん細胞を破壊する治療法です。
薬剤ががん細胞に選択的に結合するため、正常細胞へのダメージが少なく、副作用が抑えられるという利点があります。
他の標準治療(化学療法、免疫療法)と併用可能であり、肺がんステージⅣの患者様にも適応可能な場合があります。
以下より当院の光免疫療法の詳細をご確認頂けます。
肺がんの各ステージと詳細
以下では、各ステージの特徴と主な治療方法について説明しています。
光免疫療法がすべてのステージに対応していることは、適応の幅広さと安全性を示しています。
肺がんのステージと特徴
ステージ | 特徴 | 主な治療方法 |
---|---|---|
Ⅰ | がんは肺内に限局しており、リンパ節転移無し。 | 手術(肺葉切除)、放射線療法(定位照射)、光免疫療法 |
Ⅱ | がんが大きくなり、近隣リンパ節に転移の可能性有り。 | 手術、放射線療法、化学療法、光免疫療法 |
Ⅲ | がんが胸膜や遠隔リンパ節、胸腔内構造に広がる。 | 化学療法、放射線療法、免疫療法、光免疫療法 |
Ⅳ | がんが肺外に広がり、遠隔転移有り。 | 化学療法、分子標的治療、免疫療法、放射線療法、光免疫療法 |
まとめ
肺がんステージⅣは、遠隔転移を伴う進行ステージで、治療による根治が難しく、延命とQOL維持が目的となります。
化学療法、分子標的治療、免疫療法などの標準治療に加え、光免疫療法の導入により、患者様の選択肢が広がり、副作用の少ない治療が期待できます。
当院の光免疫療法は、標準治療と併用可能なため、現在、肺がん治療を受けられている方でもお気軽にご相談ください。
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【当該記事監修者】院長 小林賢次
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