子宮体がん(ステージⅣ)の「腹膜播種の特徴と治療の選択肢」

TREATMENT OVERVIEW 治療概要

光感受性物質と光照射による反応を利用した治療

当院の光免疫療法は、光に反応する薬剤を点滴で投与し、病変部に光を照射することで生じる光化学反応を利用し、がん細胞へのアプローチを目指す治療法です。

病変の位置や深さ、これまでの治療内容、全身状態などによって、治療の検討内容は異なります。当院では画像や検査資料を確認し、患者様の現在のご状況に応じて適応を個別に判断しています。

CONSULTATION CASES

このようなご相談を承っています

  • 再発・転移があり、現在の治療とあわせて別の選択肢も検討したい

  • 手術・薬物療法・放射線治療など、標準治療との組み合わせを相談したい

  • 副作用や体力面に不安があり、今後の治療方針を整理したい

  • ご高齢や持病、全身状態を踏まえて治療の可能性を相談したい

  • 緩和ケアを含む説明を受け、ほかの選択肢についても情報を得たい

  • 患者様ご本人に代わり、ご家族や身近な方から相談したい

治療の適応について

光免疫療法は、すべての患者様に適応となる治療ではありません。現在受けている治療や治療スケジュールも確認しながら、患者様のご状況に応じて検討します。

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子宮体がんが腹腔内へ広がると、腹膜の表面にがんが付着して増殖する「腹膜播種」が生じることがあります。腹膜播種は腹水、腹部膨満感、食欲低下、腸閉塞などの原因になり、病変の広がりや全身状態によって治療方法が異なります。

子宮体がんは、子宮の内側を覆う子宮内膜から発生するがんです。子宮頸部に発生する子宮頸がんとは、病気の性質や標準治療が異なります。腹膜播種が疑われる場合は、画像検査だけでなく、病理診断や遺伝子・バイオマーカー検査なども踏まえて治療方針を検討します。

子宮体がん(ステージ4)と腹膜播種

腹膜は、腹腔内の壁や胃、腸、肝臓などの臓器表面を覆う薄い膜です。子宮体がんの細胞が腹腔内へ広がり、腹膜や臓器の表面に病変を形成した状態を腹膜播種といいます。

確認したい点 内容
子宮体がんとは 子宮内膜から発生するがんで、「子宮内膜がん」と呼ばれることもあります。子宮頸がんとは区別して診断・治療します。
腹膜播種とは がん細胞が腹腔内へ広がり、腹膜や臓器の表面に病変を形成した状態です。複数の小さな結節として広がる場合も、まとまった腫瘤をつくる場合もあります。
ステージ4との関係 膀胱や腸の粘膜まで進展した場合や、腹腔内・遠隔臓器へ転移した場合などがステージ4に分類されます。ステージ4でも病変の範囲や治療可能性は一人ひとり異なります。
治療の考え方 手術で取り除ける範囲、腹膜播種の広がり、病理組織型、遺伝子・バイオマーカー、過去の治療、全身状態などから判断します。

腹膜播種でみられる症状

腹膜播種があっても、初期には自覚症状がないことがあります。病変の増大や腹水の貯留、腸管への影響が進むと、次のような症状が現れる場合があります。

症状 特徴
腹部膨満感 腹水や腫瘍によって、おなかが張る、衣服がきつくなる、少量の食事で満腹になるなどの変化がみられます。
腹痛・腰痛 腹膜への刺激、腫瘍による圧迫、腸の通過障害などによって、持続する痛みや差し込むような痛みが生じることがあります。
食欲低下・体重減少 腹水や消化管の圧迫、がんに伴う炎症などが重なり、食事量や筋肉量が減少する場合があります。
吐き気・嘔吐 腸の動きが低下した場合や、腸閉塞が起きた場合にみられます。便やガスが出ない症状を伴うこともあります。
排便の変化 便秘、下痢、便が細くなる、便やガスが出にくいなどの変化が現れることがあります。
息苦しさ 多量の腹水によって横隔膜が押し上げられると、息苦しさや動いたときの呼吸困難が生じることがあります。
脚のむくみ 腹腔内の血管やリンパ管が圧迫された場合や、栄養状態が低下した場合に脚がむくむことがあります。

早急な受診が必要な症状

次の症状は、腸閉塞、消化管穿孔、感染、血栓症などの可能性があります。次回の予約日を待たず、主治医や治療中の医療機関へ連絡してください。

  • 強い腹痛が続く、または急に腹痛が強くなった
  • 繰り返し吐き、食事や水分を摂れない
  • おなかが強く張り、便やガスが出ない
  • 発熱を伴う腹痛や、触れると強く痛む症状がある
  • 急に息苦しくなった、胸が痛む、片脚だけ強く腫れた
  • 尿量が極端に減った、意識がぼんやりする

腹膜播種を確認する検査

腹膜播種の診断では、病変の位置や広がりを調べる画像検査に加え、子宮体がんの病理学的な性質を確認します。治療薬を選ぶために、がん組織を使った追加検査が行われることもあります。

検査 主な目的
内診・超音波検査 子宮や卵巣、骨盤内の腫瘤、腹水などを確認します。
CT検査 腹膜の結節、腹水、リンパ節転移、肺や肝臓などへの転移、腸閉塞の有無などを評価します。
MRI検査 子宮の病変が筋層や子宮頸部、周囲の組織へどの程度広がっているかを詳しく確認します。
PET・PET-CT検査 全身への転移を調べる目的で検討されることがあります。小さな腹膜播種などは捉えにくい場合があります。
病理検査 子宮内膜や手術・生検で採取した組織を調べ、子宮体がんの組織型や悪性度を診断します。
バイオマーカー検査 MMRタンパク、MSI、p53、POLEなど、治療選択や病気の性質を判断するための検査が検討されます。
腹水検査 必要に応じて腹水を採取し、がん細胞の有無や感染の可能性などを調べます。
血液検査 貧血、栄養状態、腎機能、肝機能、炎症の有無などを確認します。腫瘍マーカーは画像検査などと合わせて評価します。

子宮体がんと腹膜播種に対する標準的な治療

腹膜播種を伴う子宮体がんでも、手術を含む治療を検討できる場合があります。「腹膜播種があるため、必ず手術ができない」とは限りません。一方、広い範囲に病変があり、安全に切除することが難しい場合には、薬物療法を中心とした治療が選ばれます。

手術

画像検査や全身状態を確認し、病変をどの程度切除できるかを検討します。子宮、卵巣、卵管に加え、病変の場所によっては大網、リンパ節、腹膜や周辺臓器の一部などを切除することがあります。

手術を行うかどうかは、病変を安全に減らせる見込みだけでなく、年齢、持病、栄養状態、術後の生活への影響なども考慮して判断します。最初に薬物療法を行い、その効果を確認してから手術を検討する場合もあります。

薬物療法

治療 考え方
細胞障害性抗がん薬 プラチナ製剤とタキサン系薬剤を組み合わせた治療などが検討されます。過去の治療歴、臓器機能、しびれなどの副作用を踏まえて薬剤を選びます。
免疫チェックポイント阻害薬 進行・再発子宮体がんでは、治療歴やMMR・MSIなどの検査結果に応じて、単独またはほかの薬剤との併用が検討されます。
分子標的薬との併用 過去の治療内容やバイオマーカーなどに応じて、免疫チェックポイント阻害薬と分子標的薬の併用が検討されることがあります。
ホルモン療法 ホルモン受容体陽性で、比較的ゆっくり進行する子宮体がんなどでは、全身状態や病変の広がりを踏まえて検討されることがあります。
がん遺伝子パネル検査 標準治療が終了した、または終了する見込みの場合などに、条件を満たせば検討されます。ただし、検査結果に合う薬が必ず見つかるわけではありません。

放射線治療

腹膜全体に広がる病変へ一律に照射する治療ではありませんが、骨盤内の病変による出血や痛み、骨転移など、限られた部位の症状を和らげる目的で検討されることがあります。照射部位や線量は、過去の放射線治療歴や周囲の臓器への影響を踏まえて決めます。

腹水や腸閉塞への対応

腹膜播種による症状への治療は、抗がん治療と並行して行います。症状を我慢せず、食事量、排便、腹囲、体重、呼吸状態などの変化を医療者へ伝えることが大切です。

症状・状態 主な対応
腹水 原因や量、症状に応じて薬による調整や腹腔穿刺による排液などを検討します。大量の腹水を抜く場合は、血圧や腎機能、栄養状態にも注意します。
腸閉塞 飲食の調整、点滴、胃や腸の減圧、吐き気や分泌を抑える薬、ステント、手術などを状態に応じて検討します。
痛み アセトアミノフェン、非ステロイド性抗炎症薬、オピオイドなどを痛みの強さや臓器機能に合わせて使用します。
食欲低下・低栄養 一度に食べる量を減らす、栄養補助食品を利用するなどの工夫を行い、必要に応じて管理栄養士や緩和ケアチームと連携します。
脚のむくみ 腹水や栄養状態だけでなく、静脈血栓症の有無も確認します。片脚だけ急に腫れた場合は早めの診察が必要です。
精神的なつらさ 不安、不眠、気分の落ち込みなども緩和ケアの対象です。緩和ケアは抗がん治療と並行して受けられます。

当院で行う光を用いた治療について

当院では、ICGを含むリポソーム製剤を投与し、病変へ光を照射する自由診療を行っています。現在受けている薬物療法や放射線治療などと調整できるかを含め、患者様ごとの状況に応じて相談を受け付けています。

この治療は、子宮体がんや腹膜播種に対する標準治療を置き換えるものではありません。腹膜播種は腹腔内の広い範囲や臓器の間に分布することがあり、光を安全に届けられない病変もあります。そのため、腹膜播種があるという理由だけで治療対象になるわけではありません。

確認項目 当院での考え方
治療の位置づけ 自由診療として行う治療です。手術や薬物療法などの標準治療を優先すべき場合があります。
治療方法 ICGを含むリポソーム製剤を投与し、病変へ光を照射します。1クールは6回の治療で構成されます。
照射の可否 病変の位置、深さ、大きさ、広がり、腸管や血管など周囲の組織との関係から、光を照射できるかを確認します。
腹膜播種への対応 腹腔内へ広く分布する播種や、臓器の奥にある病変などは、光を届けにくい場合があります。照射可能な病変があるかを画像で個別に評価します。
適応判断 病理診断、画像検査、現在の症状、治療歴、全身状態、臓器機能、今後の標準治療の予定などを踏まえて判断します。
治療上の限界 治療効果や生存期間の延長を保証するものではなく、すべての患者様が受けられる治療ではありません。

当院へ相談する際に準備したい資料

資料がすべてそろっていなくてもご相談いただけます。手元にある範囲で、次の資料をご用意ください。

  • 診療情報提供書や病理検査結果
  • CT・MRI・PETなどの画像データや検査報告書
  • MMR・MSIなどのバイオマーカー検査結果
  • 手術、放射線治療、薬物療法などの治療歴
  • 現在使用している薬と持病の情報
  • 腹部の張り、食事量、排便など現在困っている症状のメモ
  • 今後の治療で優先したいことや主治医へ確認したいこと

画像データがない場合には、状況に応じて提携先で撮影を手配できることがあります。現在の治療予定も当院へお伝えください。主治医へ相談せず、標準治療や処方薬を中断しないようにしてください。

治療方針を決めるときの確認事項

確認事項 主治医へ尋ねる内容
病理診断 子宮体がんの組織型や悪性度、子宮頸がんや卵巣がんなど別のがんではないかを確認します。
腹膜播種の範囲 腹膜のどこまで広がっているか、腹水、腸閉塞、ほかの臓器への転移があるかを確認します。
手術の可能性 病変をどの程度切除できる見込みがあるか、手術による利益と身体的負担を確認します。
薬物療法の選択 病理組織型、MMR・MSIなどの検査結果、過去の治療歴から、どの薬物療法が候補になるかを確認します。
治療の目的 病変の縮小、進行の抑制、症状の緩和など、提案された治療が何を目指すものかを整理します。
生活上の希望 食事を続けたい、自宅で過ごしたい、仕事や家事を続けたいなど、本人が大切にしたいことを医療者と共有します。

まとめ

要点 内容
腹膜播種とは 子宮体がんの細胞が腹腔内へ広がり、腹膜や臓器の表面に病変を形成した状態です。
主な症状 腹部膨満感、腹痛、食欲低下、腹水、吐き気、便秘などがみられます。腸閉塞など緊急の対応が必要になる場合もあります。
診断 CTやMRIなどの画像検査、病理検査、バイオマーカー検査などを組み合わせて評価します。
標準治療 病変の広がりや全身状態に応じて、手術、薬物療法、放射線治療、症状緩和のための治療を組み合わせます。
当院での治療 自由診療として光を用いた治療を行っています。腹腔内の深い病変や広範囲の播種には光を届けにくいため、照射可能性を個別に判断します。

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記事
子宮体がん(ステージ4)の胸水に関する治療の選択肢
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子宮体がん(ステージ4)の骨転移に関する治療の選択肢
子宮体がん(ステージ4)の肝転移に関する治療の選択肢

参考文献・公的情報

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