光免疫療法は、光に反応する薬剤を点滴で投与し、がん細胞に集まった薬剤へ近赤外線を照射することで、がん細胞へのアプローチを目指す治療法です。
薬剤ががん細胞に集まりやすい性質を利用し、照射によって活性酸素を発生させることで、がん細胞を内側から攻撃することを目的としています。
東京がんクリニックでは、以下のようなお悩みをお持ちの方からのご相談も承っております。
- 再発・転移があり、治療の選択肢を探している方
- 標準治療との併用を検討されている方
- 抗がん剤治療の休薬中に相談先を探している方
- ご高齢などの理由で治療方針にお悩みの方
- 緩和ケアを勧められ、他の可能性も検討したい方
- ステージに関わらず、今後の治療について相談したい方
がん治療の選択肢の一つとして、光免疫療法についてもご相談ください。
以下のバナーをクリックすると、東京がんクリニックの光免疫療法ページをご覧いただけます。
胃がんの生存率は集団の統計を示す数字

5年生存率は診断から5年後の集団の割合
胃がんの5年生存率は、胃がんと診断された患者様の集団について、診断から5年後に生存している割合を統計的に示したものです。治療成績を把握し、異なる時期や集団を比較するために使われます。しかし、個人があと何年生きられるかを示す余命の数字ではありません。集計に含まれる患者様は、年齢、ステージ、がんの性質、持病、受けた治療などが異なります。数字を見る際は、どの患者集団を、いつ診断し、どの方法で計算した生存率なのかを確認することが大切です。胃がんの全体像は胃がんの基本情報でも解説しています。
実測生存率は死因を問わず計算する
実測生存率は、がんによる死亡だけでなく、心臓病、脳血管疾患、感染症など、すべての死因を含めて計算します。そのため、高齢の患者様や持病のある患者様が多い集団では、がん以外の死亡の影響も受けます。患者様にとっては実際に生存している割合を示す一方、年齢構成が異なる集団同士のがん治療成績を単純に比較する用途には注意が必要です。実測生存率と別の種類の生存率を並べるときは、同じ意味の数字として扱わないようにしましょう。
ネット・サバイバルはがん以外の死亡の影響を調整する
ネット・サバイバル(純生存率)は、対象のがん以外による死亡がなかったと仮定した場合の生存率を数学的に推定したものです。一般集団の死亡状況などを用いて、がん以外の死因の影響をできるだけ除いて計算するため、国や地域、時期の異なる治療成績を比較するときに用いられます。同じデータでも、実測生存率よりネット・サバイバルの方が高くなることがあります。どちらかが正しく、もう一方が間違いということではなく、示している内容が異なります。
相対生存率やサバイバー生存率も目的が異なる
相対生存率は、がん患者様の実測生存率を、性別や年齢などが似た一般集団の期待生存率と比べた指標です。また、サバイバー生存率は、診断から一定期間生存した患者様を対象に、その後の生存率を示します。例えば診断から1年後に生存している患者様について、その後5年間の生存率を計算する方法です。記事や資料ごとに指標が異なるため、数字だけを抜き出して比較せず、名称と起点、対象期間を確認してください。
胃がんのステージ別5年生存率と数字の読み方

院内がん登録2014~2015年診断例の5年生存率
国立がん研究センターが公表する院内がん登録2014~2015年5年生存率では、胃がん126,675例が集計されています。2023年3月公表のデータで、がん診療連携拠点病院、都道府県推薦病院など447施設が対象です。病期別の実測生存率とネット・サバイバルは次のとおりです。
| 病期 | 症例数 | 5年実測生存率 | 5年ネット・サバイバル |
|---|---|---|---|
| Ⅰ期 | 80,349例 | 82.0% | 92.8% |
| Ⅱ期 | 11,271例 | 60.2% | 67.2% |
| Ⅲ期 | 12,950例 | 37.4% | 41.3% |
| Ⅳ期 | 20,197例 | 5.8% | 6.3% |
全症例では5年実測生存率62.3%、5年ネット・サバイバル70.2%でした。これらは2014~2015年に診断された集団の統計であり、現在診断された個人の結果を予測する数字ではありません。各病期の検査や治療については、胃がんのステージ1、胃がんのステージ2、胃がんのステージ3、胃がんのステージ4の記事で個別に説明しています。
ステージが同じでも一人ひとりの見通しは異なる
同じステージでも、がんの位置、深さ、リンパ節転移、遠隔転移の部位や数、組織型、バイオマーカー、治療への反応は異なります。年齢、体力、臓器機能、持病、栄養状態も経過に影響します。生存率は同じ条件の患者様だけを集めた数字ではないため、「ステージⅢなら必ずこの確率」「ステージⅣならこの期間」と個人へ当てはめることはできません。ご自身のステージの決まり方は胃がんのステージの記事で確認できます。
診断された年代と受けられる治療が違う
5年生存率を計算するには少なくとも5年間の追跡が必要なため、公表される統計には時間差があります。2014~2015年診断例の集計後も、手術手技、周術期管理、薬物療法、バイオマーカー検査、支持療法は更新されています。その一方で、新しい治療がすべての患者様に適するわけではなく、現在の治療によって個人の結果が必ず統計より良くなるとも断定できません。統計の診断年と公表年を確認し、現在の選択肢は主治医へ尋ねてください。
施設ごとの生存率は単純に比較できない
病院ごとの生存率は、受け入れている患者様の年齢、持病、病期、紹介の経路、救急患者の割合、身体機能などに影響されます。難しい症例を多く受け入れる病院の数字が低く見える場合もあります。そのため、生存率だけで病院や治療の良し悪しを判断することはできません。病院を選ぶ際は、対応できる治療、専門医や多職種の体制、緊急時の支援、通院のしやすさ、セカンドオピニオンへの対応なども確認しましょう。
胃がんの見通しと治療選択で確認したいこと

ステージだけでなくTNMの内容を確認する
ステージⅠ〜Ⅳという数字だけでなく、胃壁への深さを示すT、領域リンパ節への転移を示すN、遠隔転移を示すMの内容を確認しましょう。治療前の臨床ステージと手術後の病理ステージが異なる場合もあります。遠隔転移がある場合は、どの臓器や部位に、どの程度認められるかが治療方針に関係します。病理報告書や画像検査報告書を見ながら説明を受けると、ご自身の病状と一般的な統計の違いを理解しやすくなります。
治療の目的と評価方法を聞く
治療の目的が、がんを取り除くこと、手術後の再発リスクを下げること、がんの進行を抑えること、症状を和らげることのどれに当たるかを確認してください。治療効果は、画像検査、内視鏡検査、症状、血液検査などを組み合わせて評価します。薬物療法では、いつ効果判定を行うか、副作用が強い場合にどう調整するか、効果が不十分な場合の次の選択肢も聞いておくと見通しを持ちやすくなります。
切除可能性やバイオマーカーが選択肢に関係する
胃がんでは、内視鏡治療や手術で取り除ける状態か、薬物療法が中心になる状態かによって治療の考え方が異なります。切除不能・再発胃がんの薬物療法では、HER2、PD-L1、MSIまたはMMR、CLDN18.2などのバイオマーカーを調べることがあります。どの検査が必要か、検体が十分にあるか、結果が治療選択にどう関係するかを確認してください。治療選択は統計上の生存率だけでなく、期待される利益と副作用の負担を比べて検討します。
生活上の希望と治療の負担を共有する
治療には通院回数、入院、食事の変化、副作用、仕事や家族生活への影響が伴う場合があります。「長く生きることを最優先したい」「症状を抑えて自宅で過ごす時間を大切にしたい」など、重視することは患者様ごとに異なります。希望は途中で変わっても構いません。医師、看護師、薬剤師、管理栄養士、医療ソーシャルワーカーなどへ伝え、治療の利益と生活への負担を一緒に検討してください。
胃がんの生存率について相談するときのポイント

数字の出典と対象集団を確認する
生存率を見たときは、実測生存率、相対生存率、ネット・サバイバルのどれか、5年または10年などの期間、診断年、集計対象となった施設や患者様を確認します。病期分類の方法や、手術を受けた患者様だけの数字かどうかも重要です。異なる定義の数字を並べて比較すると、誤った結論につながります。ウェブ上の数字を相談する場合は、ページのURLや画面を保存して持参すると、主治医が前提条件を確認しやすくなります。
主治医に尋ねたい質問を整理する
- 私の臨床ステージまたは病理ステージとTNMは何ですか
- 統計と比べるときに異なる条件は何ですか
- 治療の目的と期待される利益は何ですか
- 効果はいつ、どの検査で評価しますか
- 必要なバイオマーカー検査は済んでいますか
- 副作用が強い場合はどのように調整しますか
- 次の治療や支持療法にはどのような選択肢がありますか
不安が強いときは相談支援を利用する
生存率の数字を見て強い不安を感じ、眠れない、食事が取れない、何度も検索してしまうことがあります。その場合は一人で抱え込まず、主治医や看護師、がん相談支援センターへ相談してください。統計の意味を整理し、利用できる支援やセカンドオピニオンについて一緒に考えてもらえます。緩和ケアは終末期だけのものではなく、診断時から不安、痛み、吐き気などのつらさを和らげるために利用できます。
生存率について理解したい記事のまとめ
胃がんの生存率は、多くの患者様の経過をまとめた集団の統計であり、個人の余命を示す数字ではありません。実測生存率はすべての死因を含み、ネット・サバイバルはがん以外の死亡の影響を調整するなど、指標によって意味が異なります。病期別の数字を見る際は、診断年、対象施設、計算方法を確認してください。個人の見通しは、ステージだけでなく、TNM、がんの性質、切除可能性、バイオマーカー、体の状態、治療への反応によって変わります。主治医には、治療の目的、効果判定の時期、次の選択肢を具体的に尋ねましょう。数字が不安につながるときは、がん相談支援センターやセカンドオピニオンを利用し、ご自身の状況に沿って情報を整理することが大切です。

【当該記事監修者】院長 小林賢次
がん治療をご検討されている、患者様またその近親者の方々へがん情報を掲載しております。ご参考頂けますと幸いです。



