末期の大腸がんの深い理解
末期の大腸がんの定義
末期の大腸がんは、通常ステージⅣに分類され、がんが大腸の壁を越えてリンパ節や遠隔臓器（肝臓、肺、骨、腹膜、脳など）に転移した状態を指します。
この段階では、根治を目指すのが困難であり、治療の主目的はがんの進行抑制、症状緩和、生活の質（QOL）向上に移行します。
大腸がんは結腸または直腸の粘膜から発生し、進行すると腹膜播種や多臓器転移を引き起こす可能性があります。
診断は、画像診断（CT、MRI、PET）、生検、腫瘍マーカー（CEA、CA19-9）などで確定され、転移の範囲や患者の全身状態に基づいて治療方針が決定されます。
この記事では、末期の大腸がんに関する情報と光免疫療法に関する治療法を解説します。
症状の詳細
末期の大腸がんの症状は、原発巣の位置、転移部位、全身状態により多様ですが、以下のような症状が一般的です：
- 腹痛や腹部の膨満感：腫瘍による腸管圧迫、腹膜播種、腹水貯留が原因。持続的または間欠的な不快感を伴う。
- 便の変化：下痢と便秘の交互、細い便、粘液便、排便習慣の変化が頻発。腸閉塞では便排出が困難に。
- 便や尿に血が混じる：直腸がんでは鮮血便、結腸がんでは暗赤色便が特徴。尿路転移では血尿もまれに発生。
- 体重減少や食欲不振：がんによる代謝亢進、消化吸収障害、腫瘍負荷で急速な体重減少や食欲低下が進行。
- 全身のだるさや疲れやすさ：がん性悪液質や炎症反応による倦怠感、筋力低下が顕著。
- 黄疸や皮膚のかゆみ：肝転移や胆管圧迫により胆汁流出が阻害され、皮膚・眼球の黄変や掻痒感が生じる。
- 腹水の蓄積による腹部の膨れ上がり：腹膜播種や門脈圧亢進で腹水が溜まり、呼吸困難や腹部膨満を引き起こす。
- 呼吸困難や胸の痛み：肺転移や胸膜播種により咳、呼吸苦、胸痛が現れる場合がある。
診断方法の詳細
末期の大腸がんの診断は、以下のような検査を通じて行われます：
| 検査方法 | 詳細 |
|---|---|
| 大腸内視鏡検査 | 内視鏡で大腸粘膜を直接観察し、腫瘍の位置、大きさ、出血や狭窄の有無を確認。生検を併用して組織学的診断を行います。 |
| CTスキャンやMRI | 腹部、胸部、骨盤の画像で原発巣の浸潤度、転移（肝臓、肺、リンパ節、腹膜など）の範囲を評価。高解像度で正確な病期分類が可能となります。 |
| 血液検査 | 腫瘍マーカー（CEA、CA19-9）の上昇を確認し、がんの進行や治療効果をモニタリング。肝機能や貧血の評価も行います。 |
| 生体組織検査 | 内視鏡、針生検、または手術で採取した組織を顕微鏡で解析。がんの種類（腺がんなど）、分子特性を特定し治療方針を決定します。 |
| 超音波検査 | 腹部臓器（肝臓、脾臓）、リンパ節、腹水の評価に使用。非侵襲的で初期診断に有用。 |
治療方法と対応策
末期の大腸がんの治療は、がんの制御と症状緩和をバランス良く目指します。主な選択肢は以下の通りです：
| 治療方法 | 詳細 |
|---|---|
| 化学療法 | 分子標的薬（ベバシズマブ、セツキシマブ）を併用し、腫瘍縮小や進行抑制を目指す。副作用（末梢神経障害、骨髄抑制）に注意。 |
| 放射線療法 | 骨転移や局所再発による疼痛緩和、脳転移の制御に使用。直腸がんでは術前補助療法としても適用。全身転移には効果は限定的。 |
| 緩和ケア | オピオイドやNSAIDsで疼痛管理、腹水穿刺、栄養サポート（経腸・静脈栄養）、心理的ケアを統合。QOL向上を最優先。 |
| 手術 | 根治は困難だが、腸閉塞解除や限局性転移（肝臓、肺）の切除を検討。ステント留置で閉塞症状を緩和する場合もあり。 |
| 免疫療法 | ペムブロリズマブやニボルマブが使用され、持続的効果が期待されるが、適応は限定的。 |
光免疫療法とその効果
光免疫療法とは、特定の薬剤を体内に投与した後、レーザー光を照射することで、がん細胞を特定して破壊する方法です。
この治療法は、他の治療法と組み合わせて使用されることもあり、がんの状態によっては選択肢になり得ます。
健康な細胞へのダメージを抑えながら、がん細胞を効果的に破壊できるという利点があります。
また、光免疫療法は、副作用が少ないとされており、患者様の体調や生活の質を維持しながら治療を受けることができます。
以下より当院の光免疫療法の詳細をご確認頂けます。
光免疫療法「末期がん治療と緩和ケアの融合」
当院の光免疫療法は、末期の大腸がん患者に治療と緩和ケアを統合する選択肢となる可能性があります。
以下の様に、がん細胞を直接攻撃しつつ、症状を軽減する二重効果を発揮します：
●治療効果：局所的な腫瘍縮小に加え、全身性の抗腫瘍効果によって、遠隔転移の進行抑制をサポート。
●緩和効果：腹水、腹痛、腸管圧迫の軽減により、患者の快適性が向上。疼痛管理の負担も低減。
●QOL重視：副作用が軽度で、日常生活を維持可能。外来治療で済む場合が多いです。
病巣に直接作用する光免疫療法は、正常組織への影響を抑え、体力を温存しながら効果を発揮します。
予後と生活の質
末期の大腸がんの予後は、転移の範囲、治療への反応、全身状態によって大きく異なります。
化学療法や分子標的薬により、平均生存期間は1～2年程度延長可能ですが、個人差が存在します。
当院では、総合的アプローチによって患者と家族の生活を最大限サポートします。
まとめ
末期の大腸がんは、がんが大腸を越えて遠隔転移した状態で、根治が難しいですが、化学療法、放射線療法、緩和ケア、光免疫療法により、進行抑制と症状緩和を目指せます。
光免疫療法は、低侵襲で効果的な選択肢として、QOL向上に大きく貢献することが可能です。
早期発見が予後を左右するため、40歳以上の定期健診（大腸内視鏡、便潜血検査）が推奨されます。
現在、大腸がん治療中でも光免疫療法は受けることが可能なため、標準治療以外の治療法も検討されている方はお気軽にご相談ください。
光免疫療法の豊富な治療実績があるがん専門医が、親身になって対応致します。
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【当該記事監修者】院長 小林賢次
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